暗黒騎士団剣文録

ペンが剣より強いのは、君との距離が近いから。

原作勢が観る アニメ『やがて君になる』5話感想・考察

 お久しぶりです。イベント直前に第六話やノベライズ佐伯などが被って地獄になっていましたが無事生還しました、旧ヶ丘速贄です。

 前回なんか「イベント後に五話と六話の感想まとめて書きます!」とかほざいとったオタクがいたそうですが、全て嘘です。無理でしょ。先に五話の分だけになってしまいますがよろしくお願いします。

 言ってることころころ変わって、オタクがそんなことでいいんですか?(まぁオタクやしな……)

 

 時にオタク、やが君のブルーレイは予約しました?

 まだ発売日は先ですが、早いうちから予約がたくさん入っていればコンテンツの先行きは明るいし、原作者の仲谷先生も「2期があればきれいに完結できる」とおっしゃっていたので……。

 ちょっとでも買おうかな、と思っている人間がいたら後回しにせず今すぐにでも予約してくれ、俺絶対この作品の2期が観たい。俺に命を懸ける場所をくれ。

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今週多少短めになると思いますが、第5話感想やっていきます。よろしくね。

 

 

第5話 『選択問題/続・選択問題』

 選択問題、とは言っても小糸侑が今抱えているのは「選択肢の中から正解を選ぶ問題」ではなく「『選択する』という問題そのものに対する答えを探す問題」である事は意識しておきたいですね。選択問題は「答えが解らなくてもとりあえずなんか選んでおけば回答した事にはなる」出題形式だけれど、今回の場合はそうじゃないので。

 人の心はいつだって記述問題。俺達国語教師に毎回解釈喧嘩を吹っ掛けていた厄介オタクとしてもな。

 

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 俺の勝ちや。

 先行カットでこのシーン出てきた時思わず猿のおもちゃみたいに両手をバシバシ叩いていた。遂に放送前に勝利宣言ができるようになってしまったな。

 幕間もちゃんとアニメにしてくれるの嬉しいな~~~!!佐伯オタクとしてはあの話とあの話にも期待したいところ。ノベライズ佐伯の後にアニメであの人出てきたら多分情緒が終わってしまうけど。最初から終わっていれば大丈夫(575)

 原作だと後ろで地味に電撃大王の宣伝入ってるの好き。これ電撃大王か?


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 新書や評論、フィクションはそれほどな佐伯沙弥香。

 図書カードが使える女、佐伯沙弥香。

 図書カードが使えてるのはどちらかと言えば藤代書店の方では……


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 参考書と売れ筋の文庫を買う七海。

 朱里はスポーツ漫画という好きなジャンルがあり、こよみには贔屓の作家が居るのに対して七海燈子は売れ筋のもの、つまり「みんなが買っているもの」「今流行っているもの」に手を出しているの、彼女の自分のなさとか自我の弱さがこういうところにも滲み出ている気がしてちょっと怖いですね、深読みが過ぎるかも知れないけれど……

 


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 アニメ版、原作版のノートと黒板を見るに、古文でやってる内容は伊勢物語の『梓弓』ですね。

 超ざっくり内容を説明すると「都勤めに出た男が三年間女を田舎に置き去りにしていたら帰ってきた頃には他の男と婚約してしまっており、両想いなのになんもかんも終わりになる」みたいな話だったと思います。

 昔だったら「や~~~っぱ恋愛は邪悪!!」っつって爆笑してただろうけど今のやが君本編の事を考えると全然笑い事ではないんだよな……(そもそも人の恋愛を笑うもんじゃないよ)七海燈子、手遅れになる前に小糸を迎えに行ってくれ~~!!

 ちなみに梓弓は「引く」とか「張る」とかに対応する枕詞で、(弓が弦を引いたり張ったりするものなので)黒板に書いてある句の場合は「心引かれる」にかかってるとかそんな感じだったと思う。多分。

 


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 小糸の「ただあの人が危なっかしくて……」のモノローグとほぼ同時に出てくる危なっかしい人。このハードルの持ち方脚に引っ掛かってほんまに危険なのでやめましょう。正しいのは左下の人の持ち方。


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 〆切にだいぶ余裕を持って原稿を書き上げる叶こよみ、えらすぎる!!!!!

「〆切前日になってからが本番」とかほざいとるどこぞのオタクも見習った方がええんちゃうか?

 こよみのペンネーム見れるかな、と思っていたのですが見えなかった。残念。原作だと4文字っぽいので、案外「叶こよみ」そのままの可能性もあるのかも?

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タイトル未定なのはここの回収だと思います。大変なんだよ、タイトル考えるの……

 


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  突如現れた謎の人物、桜木詩織。

 原作では顔なし台詞なしのモブであった事を考えると大出世では? 先生、ヒロくん、小糸の両親を差し置いてフルネームドキャラになってんの何か意味あったりするのかな、解らん……。 

 ここ、「自分は将来どうなりたいのか」という『選択』について考えているシーンでもあります。第5話は一貫して選択の話。選びたいけれど、明確な答えは用意されていない。自分で探して決めなければならない。

 小糸侑、第1話で部活決めるの迷ってたのもそうなんですけど、選択するの苦手なんですよね。自分で決められないから、頼られると断れない。求められれば受け入れてしまう。

 


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 下校時に階段を降りる小糸。

 ……あれ?こっからさらに下があるって事は一年生の教室何階だこれ?えぇと、授業受けているシーンでもグラウンドが下にあったから割の上の階ではあると思うんですけど、どうなんだろう……奥側の校舎に生徒の教室があるのはもうほぼ間違いないとして、その内部構造がちょっとわからなくなってきた。考えます。

 

 あとここ多分OPで小糸が顔隠してるシーンの場所ですね。


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 去って行く槙くん。えらい。

 原作のきらきらしてる表情も好き。存在しない事で株が上がるキャラクター、そうそういなくない?

 彼も一応「ご一緒しようかなと思ったけどやっぱり遠慮しておく」事を『選択』した人間ではあるんですよね。己の愉しみに忠実だ……。

 そういえば11月23日は彼の誕生日でしたね。おめでとうございます。これからも出たり出なかったり爽やかに去って行ったりしてくれ。彼もう原作で大きめの出番後一回あるかないかのレベルだけど……あるならあるで重大な仕事になりそうな雰囲気ですが、その辺は叶こよみとか小糸怜に回るだろうしな……。 


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 何やこれ?

 待ってください、数学か英語ってことまでは解るんですよ、だってアルファベットと数字並んでるし……。

 いや完全に理解したわ、これ数学でしょ!英語にはこんなにいっぱい数字出て来ないもんな。(IQ50000)

 

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 小糸の手が止まっている事に気付く七海。

 原作と比べて表情の変化が解りにくくなっていますが、それでも気付く辺り七海燈子やっぱり鈍い人間ではないと思うんですよね。勉強してると見せかけてちらちら小糸の事見てたのかも知れないけど……。


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 通過する列車。

 やが君に頻出する「踏切」の演出に対して、俺は「遮断機の降下は『相手を踏み入らせない』事、列車の通過は『一方的な感情・行動』の暗喩」という事を原作感想の時から主張していた訳ですが、このシーンは原作にはない踏切演出になっています。

 この前後の場面での二人の

「わたしばっか得しちゃったような」

「もらいっぱなしって落ち着かないじゃないですか」

「私が勝手にあげてるだけなんだから」

 という台詞を考えるに、従来の『一方的』という演出意図から逸れてはいないんじゃないかな、という感じ。むしろここにも当てはめられるから追加で当ててきた、という風に考えた方がよさそう。

 この踏切演出、今後もかなり重要になってくるのでおさらいのつもりで今頭に入れ直しといてください。

 


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  七海を誘う吉田五十嵐。この二人基本セットで行動してるのいいよね。

 アニメ版だと吉田の「ざーんねん」がかわいいのと、五十嵐が上着を着ている。

 佐伯はこの3人との集まりの参加率どうなってんだろうな……。

 このシーン、七海燈子が友人よりも小糸侑と過ごす事を『選択』している場面でもあります。


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 お前顔がいいからって何をしても許されると思うなよ?!(現状割と許されてますが……)

 一度は拒否するけどなんだかんだでまんざらでもなさそうな表情してる辺り、小糸侑も妹っぽいところあるよな~と思う。一度払われてるのにそれでも頭撫でようとする七海燈子も七海燈子だけど……


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  図書館で大声出すな七海燈子。(字余り)

 地味にこのシーン、「どこで勉強をするのか」「七海燈子と一緒の時間を過ごすか、過ごさないか」を『選択』した場面でもあるんですよね。

 小糸は「今日は混んでるしやめにしましょうか」と言える立場にあるけれど、それでもここでは「七海燈子と二人の時間を過ごす」事を明確な意思を持って選んでいるので。それができるくらい小糸から七海への距離が縮まって来ている事の表れでもある。

 小糸侑は小糸侑なので一定以上に仲が良ければ別に七海燈子でなくても家に呼んでいたと思うけど、どうなんだろう……。ちょっと人連れて来ただけで彼女疑惑を持たれるくらいなので、実は家に誰か呼んだりしない説はあるよね。実家が親の仕事場なので家で遊ぶハードルが他の家より高いってところと、小糸姉の台詞をどれくらい冗談だと解釈するのかにもよる。


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 チーズケーキに喜ぶ小糸。かわいい。

 このシーンのアホ毛右方向にハネてて前髪と合わせて「S」字型になってんの面白いな……と思ったので恒例の検証コーナーです。

 小糸侑のアホ毛はどっちにハネるのが正解なのか?

 

 

 ……検証の末、「こちら側から見て左向きにハネるのが基本」という結論に至りました。正面向きの場面では原作・アニメ共に8割くらいの確率で左ハネになってます。当然背後からのカットでは逆向き。

 ただ、一つイレギュラーとして「小糸侑側から見て自分の右半身が前に出る構図の時はこちらから見て右ハネになる」という結果も出ています。

 「基本は左ハネ、右肩が前に出てたら右ハネ」と覚えておくと解りやすいかもしれない。丁度2巻の表紙とかは「右半身が前に出ているので右ハネ」の典型例なのでこれで覚えよう。

 このシーンは特に法則なく右ハネになっている場面なので違和感センサーが働いたのかもしれないな……。


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  こいつ……。

 「後輩のベッドの匂いをこっそり嗅ぐ」とかいう文字に起こしたらどう考えても完全アウトな行為も顔面が整ってるだけでちょっといい感じの絵になってるのほんまにずるいとかそういう次元の話ではないな……。親に感謝せぇよ七海お前……(?)

 


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  攻められると弱い七海。

 こんだけ防御の性能低いくせによくもまぁあんだけ後先考えず暴れられるよな……と思ったけど「守りに入ると苦しいので攻められそうになったら暴れて主導権を握り返すしかない」と考えるとキャラ性能と立ち回りの間に説得力が生まれるというか、根拠のある動きに見えなくもない。

 まぁ問題は七海が全く考えずに好き放題やってるところなんですけど……(そこ一番重要なポイントなのに……)

 


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「……人を好きになるとそんな風になっちゃうんですか」

 

2巻初読時ぼく「ほんまにな!!やっぱり恋愛は邪悪!!!」

6巻読後ぼく「人を好きになっただけでどうしてこんな風になっちゃうんですか……?!」


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「聞いてみる?」

 なんで?????? 

 マジでなんでこの場面でその台詞が出てくんの??今自分がどれだけ追い詰められている状況なのか把握してる??「先輩の変態」って言われたばっかりなのほんまに解ってるか??

 七海燈子、根拠のない暴れを突然繰り出してくるから冗談抜きで怖い。立ち回りにロジックを待たせろってはねバドでも言ってたでしょ(?)


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  脈あり(物理)。

 自分から誘っといてこの反応なのほんとにどうしようもないな……。

 本当に小糸が胸に来てたらどうするつもりだったの?考えてないでしょ?そういうところですよ?

 


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 「そういうところが好き」という台詞の前に、七海の背後から光が射し込むカットが追加されている。『好き』と『光』の関係性、やが君アニメではもう一貫してやっていくものと見て間違いないでしょう。みんなも光と水は要チェックよ。


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  『好き』と言われて出てくるのがこの表情。

 こういうところ他の作品にはそうないポイントで、俺がこの作品に惹かれたポイントでもあるんですよね……。


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 七海に「君はそのままでいいんだよ」と肯定されはしたけれど、それでも『変われないのはいやだ』という気持ちを持っているんですよね小糸は。そしてそれを今まで一度も七海を含め他人に告げてはいない。これ地味にBADルート回避の超ファインプレーだったりするんだけど……

 小糸侑は変わりたい。人を好きになりたい。そこまでの選択は既に済んでいる。じゃあ誰を好きになりたいのか?その人を『選ぶ』ことができるのか?……というのが小糸侑の『選択問題』なわけです。

 


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  夜中に騒がないの!!

 実はこの「小糸侑本人を経由せず姉の連絡先を入手している」動き、かなり重要ですよね……。姉と七海にライン繋がってる事小糸侑本人は知らないだろうし、原作でも何らかのギミックとしてもう一回くらい使われそう。


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 「心臓が選んでくれたらいいのに」と考えながら、思い浮かべるのは七海の後ろ姿。誰を選んで欲しいのか、好きになりたいのは誰なのか、答えはもうすぐそこまで出ている。選ぶことがまだできていないだけで。

 原作だとプラネタリウムの電源を落としてからモノローグが入って〆なんですが、アニメだと電源を落として画面が暗転、そのままフェードアウトという〆方になっています。メディアミックスは原作を再現するのが最も安定した手法なのですが、(そら原作が人気だからメディアミックスに至る訳だしな……)やが君アニメはそれだけに収まらず「24分間のアニメーション」という枠組みの中で最善の形になるように再構成されていて、そういうところに信用を感じるんですよね。

 

 

 という訳で第5話感想でした!復帰戦なので今回は軽めにね。ここからペースを上げて本放送に追いつけるよう頑張っていきたいと思います、とかいいつつ次回が6話なんだけど……。まあなるたけ早めに書き上げるので……。

 それでは次回、決着を付けましょう。ありがとうございました~